成果報酬型広告(アフィリエイト広告)を長く運用していると、同じようなサービス、同じような成果報酬単価で広告を実施していても、成果が大きく伸びる広告主と、なかなか伸びない広告主が存在します。

「商品力が強いからでは?」

「成果報酬単価が高いからでは?」

もちろん、それらも重要な要素です。

しかし、広告代理店としてさまざまな案件を運用していると、それだけでは説明できないケースを数多く目にします。

競合より成果報酬単価が高いにもかかわらず掲載メディアが増えない広告主もいれば、突出した成果報酬単価ではなくても、メディアから積極的に掲載され、継続的に成果を伸ばしていく広告主もいます。

では、広告代理店から見た「伸ばしやすい広告主」には、どのような特徴があるのでしょうか。

今回は、成果報酬型広告を運用する広告代理店の立場から解説します。

成果報酬単価が高ければ伸びるわけではない

成果報酬型広告を始める際、多くの広告主が最初に気にするのが「成果報酬単価」です。

例えばクレジットカードであれば、

A社:カード発行 10,000円
B社:カード発行 12,000円

という条件なら、B社の方がメディアに掲載されやすいように見えます。

しかし、実際にメディアが見ているのは成果報酬単価だけではありません。

広告を掲載したときに、

・どのくらいクリックされるのか
・どのくらい成果が発生するのか
・発生した成果がどの程度承認されるのか
・ユーザーに紹介しやすいサービスなのか

などを総合的に見ています。

つまり重要なのは、単純な成果報酬単価ではなく、**「その広告を掲載すると、メディアはいくら収益を得られるのか」**ということです。

① CVRが高い広告主

広告代理店から見て、非常に伸ばしやすいのがCVR(コンバージョン率)の高い広告主です。

例えば、同じメディアから1,000人のユーザーを送客した場合、

A社:CVR 1% → 10件の成果
B社:CVR 3% → 30件の成果

となれば、同じ成果報酬単価でもメディアの収益には3倍の差が生まれます。

CVRを左右する要素は商品力だけではありません。

LPの分かりやすさ、申込フォームの入力項目、スマートフォンでの操作性、ブランド認知、キャンペーンなど、さまざまな要素が影響します。

そのため、成果報酬型広告を伸ばしている広告主ほど「メディアを増やすこと」だけではなく、自社サイトのCVR改善にも積極的です。

広告代理店から、

「この部分を変更するとCVRが上がる可能性があります」

「競合と比較すると申込フォームが長いです」

といった提案があった際に、すぐに検討できる広告主は成果を伸ばしやすくなります。

② 承認率が高く、否認理由が明確な広告主

成果報酬型広告では「成果発生数」だけではなく「承認率」も非常に重要です。

例えば、

成果報酬:10,000円
成果発生:100件
承認率:90%

であれば、メディアの報酬は90万円です。

一方、

成果報酬:12,000円
成果発生:100件
承認率:50%

なら、メディアの報酬は60万円です。

一見すると後者の方が高単価ですが、実際のメディア収益は前者の方が大きくなります。

特にメディア側が困るのが「なぜ否認されたのか分からない」状態です。

否認条件が明確で、承認・否認処理が適切に行われる広告主は、メディアから見ても安心して掲載できます。

広告主にとっては1件の否認でも、メディアにとっては広告枠を使って獲得した成果です。

この認識を双方で持つことが、長期的な掲載につながります。

③ レスポンスと意思決定が速い広告主

これは意外と重要です。

成果報酬型広告では、日々さまざまな提案が発生します。

「このメディアが掲載を検討しています」

「この条件なら掲載できそうです」

「今月だけ特別単価を設定できませんか?」

「競合がキャンペーンを始めました」

こうした話が出たとき、数日で意思決定できる広告主と、社内確認に数週間かかる広告主では、結果に大きな差が出ます。

特に有力なメディアの広告枠には限りがあります。

「検討します」と回答している間に競合広告が掲載され、その枠が埋まってしまうこともあります。

すべての提案を受け入れる必要はありません。

重要なのは、YESでもNOでも意思決定が速いことです。

広告代理店としても、意思決定が速い広告主であれば積極的に新しい企画を持ち込みやすくなります。

④ メディアごとに条件を柔軟に設計できる広告主

すべてのメディアに同じ条件を提示する必要はありません。

例えば通常の成果報酬が10,000円だったとしても、

通常メディア:10,000円
有力SEOメディア:15,000円
大型掲載企画:20,000円

といった形で、媒体ごとに成果報酬を変更することがあります。

これを「特別単価」と呼びます。

当然ですが、成果を大きく獲得できるメディアほど、広告主に対する交渉力も強くなります。

そこで一律の条件しか設定できないと、有力メディアへの掲載機会を逃すことがあります。

反対に、

「この媒体で月100件以上なら、この単価まで出せる」

といった判断ができる広告主は、代理店側も媒体との交渉がしやすくなります。

重要なのは成果報酬を無条件に上げることではありません。

獲得件数や顧客の質を見ながら、媒体ごとの採算性を判断することです。

⑤ 「件数」だけではなく、その先の数字を共有してくれる広告主

広告代理店にとって非常にありがたいのが、成果発生後の数字を共有してくれる広告主です。

例えば不動産投資サービスなら、

申込
↓
電話接続
↓
面談予約
↓
面談完了
↓
商談
↓
成約

という流れがあります。

広告代理店側から「100件獲得しました」というところまでしか見えなければ、媒体ごとの本当の価値を判断できません。

Aメディア:100件申込 → 10件面談
Bメディア:50件申込 → 20件面談

であれば、申込件数ではAメディアが優秀ですが、面談数ではBメディアの方が優秀です。

さらに成約率まで見れば、評価が逆転することもあります。

このデータを広告代理店と共有できれば、

「Bメディアはもっと単価を上げて掲載を拡大しましょう」

「Aメディアは件数ではなくユーザー属性を改善しましょう」

といった提案が可能になります。

広告代理店に成果発生後のデータを共有することは、単なる情報開示ではありません。

広告費をどこに集中させるべきかを判断するための材料を渡すことでもあります。

⑥ メディアを「広告枠」ではなくパートナーとして考える広告主

成果報酬型広告では、広告主がメディアに広告掲載を依頼しているように見えます。

しかし、有力なメディアほど掲載する広告を選んでいます。

ユーザーとの信頼関係を構築しているメディアにとって、何を紹介するかは非常に重要だからです。

そのため、

「成果報酬を払っているのだから掲載してもらえる」

という考え方では、なかなか掲載は広がりません。

一方で、

「どうすればメディアが紹介しやすくなるか」

を一緒に考えられる広告主は強いです。

商品資料を提供する。

ユーザーからよくある質問を共有する。

競合サービスとの違いを整理する。

必要であればメディア向けの勉強会を実施する。

こうした取り組みによって、メディア側も記事やコンテンツを作りやすくなります。

結果として、単純な広告掲載ではなく、長期的な関係につながっていきます。

⑦ 代理店に「媒体開拓」だけを求めない広告主

成果報酬型広告が伸び悩んだとき、

「新しい媒体をもっと開拓してください」

という話になることがあります。

もちろん媒体開拓は広告代理店の重要な仕事です。

しかし、新しい媒体を増やし続ければ成果が伸び続けるわけではありません。

既存媒体の掲載順位を上げる。

成果報酬単価を調整する。

LPを改善する。

成果地点を見直す。

申込後の面談率を改善する。

広告主独自のキャンペーンを企画する。

成果報酬型広告を伸ばす方法は、媒体開拓以外にも数多くあります。

特にある程度の規模まで成果が伸びてくると、「媒体数を増やす」ことよりも既存媒体からの獲得件数をどう増やすかが重要になってきます。

広告代理店が「この案件を伸ばしたい」と思えるか

少し違った視点から考えてみます。

広告代理店も、すべての広告主にまったく同じ時間を使っているわけではありません。

広告代理店の担当者にも、

「この媒体に提案してみよう」

「こんな企画なら伸びるかもしれない」

「競合よりこの条件を強くしたらどうだろう」

と考える案件があります。

そして、そのような提案が次々と生まれる広告主には共通点があります。

提案へのレスポンスが速い。

データを共有してくれる。

良い提案であれば実行してくれる。

結果が出れば次の施策にもチャレンジしてくれる。

こうした広告主であれば、代理店側も新しいアイデアを提案しやすくなります。

成果報酬型広告は、広告主から広告代理店へ発注して終わる広告ではありません。

広告主・広告代理店・メディアが一緒になって改善を繰り返すことで、大きく伸びる広告だと弊社では考えています。

まとめ:「伸ばしやすい広告主」は単価が高い会社ではない

広告代理店から見た「伸ばしやすい広告主」は、必ずしも成果報酬単価が一番高い会社ではありません。

CVRが高い。

承認率が高い。

意思決定が速い。

媒体ごとに柔軟な条件設定ができる。

成果発生後のデータを共有してくれる。

そして、広告代理店やメディアと一緒に改善を続けられる。

こうした広告主は、代理店側から見ても新しい提案を行いやすく、結果として掲載メディアや獲得件数を拡大しやすくなります。

成果報酬型広告では「いくら払うか」だけではなく、広告主・代理店・メディアの3者が利益を得られる状態を作ることが重要です。

Mass Minorityでは、クレジットカード・証券・不動産投資などの金融領域を中心に、成果報酬型広告の企画・運用、メディア開拓、成果地点や成果報酬単価の設計などを支援しています。

「ASPに出稿しているものの成果が伸びない」

「掲載メディアを増やしたい」

「現在の成果報酬単価や成果地点が適切なのか分からない」

といった課題がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

記事一覧へ 記事一覧へ